治療方法
顔のさまざまな部位の変化で年齢を感じることがあると思いますが、なかでもほうれい線が目立つようになったことで、年齢を感じているという人は多いのではないでしょうか。
ほうれい線は口周りのシワなので、シワ対策に力を入れて改善しようと考えがちですが、実はほうれい線の原因はそれだけではありません。加齢に伴い、顔の骨の老化や脂肪の減少、筋肉の衰えによって顔が下垂するほか、乾燥、表情の癖などの複数の要因が組み合わさり、頬がたるむことによってほうれい線の上に脂肪がたまり、ほうれい線をより深い窪みにしているということも、大きな原因の一つなのです。
そこで今回は、ほうれい線の解消につながる頬のたるみの改善方法をお伝えしたいと思います。
化粧品で頬のたるみを改善する
化粧品を使って頬のたるみを解消したいと考える場合は、肌のハリをアップさせる化粧品を使いましょう。
たるんでしまっている肌は、肌の内側の真皮を構成するコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、それを生成する線維芽細胞の4つがバランスを崩している状態です。なかでも、肌に直接ハリを与えているコラーゲンや、水分保持の役割を果たしているヒアルロン酸は、それらを配合した化粧品を使うことで補うことができます。ただし、通常のコラーゲンやヒアルロン酸は高分子で、肌の中まで浸透しにくいため、低分子という記載があるものを選ぶことがおすすめ。肌の中まで成分が浸透しやすく、よりハリアップの高い効果を期待することができます。
また、ペプチドも肌にハリを与えてくれる成分なので、ペプチド配合の化粧品もハリアップに有効です。
乾燥もたるみの原因の一つ。ヒアルロン酸は保湿効果がある成分ですが、乾燥を感じる前に化粧水などを付けて先回りの保湿をする、化粧水や乳液のほかにクリームや美容液もつけるなど、ハリアップとあわせて乾燥対策もしっかりと行いましょう。
美容治療でほうれい線を解消する
効果がすぐに欲しいのであれば、美容治療が最も効果的です。
- ヒアルロン酸注入
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最も有名なのは、ヒアルロン酸注入ではないでしょうか。これは、ほうれい線部分の皮膚に注射で直接ヒアルロン酸を注入すると、注入したヒアルロン酸が体内のヒアルロン酸と融合し、皮膚にハリが戻ります。それによって、ほうれい線に刻まれた溝やシワが改善するのです。
注入した成分に対するアレルギー反応が起きにくく、注射してすぐに効果が表れるため、気軽に受けられる治療の一つです。効果は均18〜24ヶ月と持続性があります。このほか、物理的に肌をリフトアップさせてたるみを解消させる治療方法もあります。たるみの改善方法が手術しかなかった時代とは異なり、現在はメスを使わずに治療できる方法がいくつかあるので、ご紹介します。
- スレッドリフト
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溶ける突起付きの糸を頬に注射で注入し、たるみを重力とは反対方向にリフトアップします。同時に、ジグザグに付いている突起が周囲の細胞を活性化してコラーゲンの増殖を促すため、糸によるリフトアップ効果が薄れた後も肌にハリを与え続け、長期間にわたる持続効果があります。
施術後の傷は注射針の針穴だけなので、痛みも少なく、その日のうちにメイクをして帰宅することがメリットです。ヒアルロン酸の注入はほうれい線のシワの改善がメインですが、スレッドリフトは、糸による強力な引き上げでたるみそのものを改善することにより、ほうれい線をなくすことができるのが特徴です。 - MWリフト
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こちらも、スレッドリフトと同じく、メスを使わずに頬に糸を挿入してたるみを引き上げる治療法です。MWリフトの糸は、2〜3年かけて体内に吸収される医療用素材で作られているため、従来のスレッドリフトよりも2~3倍の長期間にわたって効果が維持できることがメリットです。
- HIFU(高密度焦点式超音波治療)
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HIFU治療は、超音波を利用して肌に熱ダメージを与え、コラーゲンの再生を促すことでハリを導く治療法です。顔全体に照射しても10分程度と施術時間が非常に短く、ダウンタイムなく効果が得られることが特徴です。効果は半年~1年の間持続します。またHIFU治療は、繰り返し受けることでたるみの改善につながっていきます。
まとめ
頬のたるみが気になりだし、すぐにでもリフトアップしたい方、化粧品での改善を試みてみたけれどなかなかたるみが改善しないという方は、メスを使わずに受けられる美容治療から検討してみてはいかがでしょうか。頬のたるみに対する治療法は、さまざまなものがあります。どんな方法が自分に適しているのかは分からないけれど美容治療に興味があるという場合にも、ぜひ美容外科や美容皮膚科のクリニックの医師に相談してみてくださいね。
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この記事の監修
銀座みゆき通り美容外科大阪院
岩井 謙治 院長
経歴
- 2004年
- 神戸大学医学部医学科 卒業
- 2006年
- 金沢医科大学病院 形成外科 入局
- 2011年
- 京都大学病院 皮膚科 入局
- 2011年
- 兵庫県立塚口病院 皮膚科 医長
- 2013年
- 北山武田病院(旧城北病院) 皮膚科 美容皮膚科 医長
- 2015年
- 銀座みゆき通り美容外科大阪院 院長 就任
<所属学会・団体>
- 日本美容外科学会
- 日本美容外科医師会
- 日本形成外科学会(形成外科専門医)
- 国際形成外科学会
- 日本皮膚科学会