有効な手段
年齢よりも上に見られることが多い、最近鏡を見ていてなんとなく老けた印象に感じる……その原因、「たるみ」ではありませんか?
頬や顎の皮膚のたるみは、30代に入ってから徐々にやってきます。ほうれい線の上に少し皮膚が溜まってきたな、最近口角が下がり気味だな、顎の形が崩れてきたなと感じるのは、頬の皮膚がたるんできた証拠。周りの人にはっきりと「たるんでるな」と感じ取られる前、できるだけ早いうちに対処をしておきたいものです。
そこで今回は、たるみ対策の有効な手段について、毎日のちょっとした習慣づけでできるケアからしっかり治療する方法までご紹介します。
たるみ対策の日常ケア
- 日焼け止めを塗る
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たるみができてしまう原因には、肌の深部にある「真皮」の状態が深くかかわっています。真皮とは肌の基礎となる土台の部分で、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などで構成されています。これらの要素が、加齢や紫外線の影響でバランスを崩したり、減少したりすることで、たるみの原因となってしまうのです。
紫外線の中でも、たるみの原因をつくるとされているのが、「UV-A」という波長の長い紫外線。波長が長いために肌の奥にある真皮にまで到達し、肌のハリを保つ役割のコラーゲンやエラスチンを破壊してしまうのです。また、UV-Aは、コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞さえも傷つけてしまいます。
UV-Aは、日差しの強い夏の間だけ対策をすればいいというものではありません。年間を通して降り注いでいるため、季節を問わず、毎日の習慣ケアが大切です。
対策はもちろん、日焼け止めを塗ること。UV-Aは、窓を透過して家の中にも侵入してくるため、外出するときだけでなく、家にいるときでも毎朝塗るのがおすすめです。ちなみに、UV-Aに対する日焼け止めの効果の高さは「PA」という値で表され、「+」の数が多いほど効果が高いことを意味します。
- 睡眠と疲れをしっかり取る
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睡眠が不足したり脳が疲れたりすることによっても、肌の老化が起こると言われています。
というのも、疲労やストレスが溜まると、「活性酸素」が大量に発生します。活性酸素は、ウイルスや細菌から体を守る役割を持っていますが、過剰に発生すると細胞を傷つけてしまいます。また、活性酸素は紫外線を浴びることによっても発生するため、特に紫外線を浴びることの多い顔は、身体のどの部分よりも活性酸素の影響を受けやすくなっているのです。
また、細胞の新陳代謝を促す成長ホルモンは、眠っているときに分泌されます。睡眠が不足すると成長ホルモンの分泌量が少なくなるため、皮膚の代謝や再生が追いつかなくなります。
これらの理由から、睡眠不足や疲れによって、たるみが起こるのです。
- たるみに効果のある食事をする
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たるみの原因となる活性酸素の影響から細胞を守るためには、抗酸化力を高める栄養素が必要です。抗酸化力を高める栄養素とは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、イソフラボン、アントシアニン、フラバノン、リコピンやアスタキサンチンなど。また、たんぱく質はコラーゲンの材料となるアミノ酸を含んでいるため、たんぱく質を含む肉や魚、卵などの摂取も欠かせません。
一発逆転!たるみをスッキリ解消する治療法
日常ケアは、たるみを劇的に改善するものではなく、あくまでも予防か現状維持が目標です。そのため、すでにたるみが気になっている、すぐにでも改善したいという方には、美容クリニックでの治療がおすすめです。
以前は、たるみを改善するには手術が必要でしたが、今はメスを使用しない治療も増えています。そこで、ここではメスを使わない治療法をご紹介します。
- ヒアルロン酸注入
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肌にハリを与えるには、注射によるヒアルロン酸の注入が効果的です。例えば、ほうれい線部分の皮膚に直接ヒアルロン酸を注入すると、注入したヒアルロン酸が体内のヒアルロン酸と融合することによって皮膚にハリを与え、たるみを改善します。
入院や治療後の生活を制限する必要がなく、治療してすぐに効果が現れるため、気軽に受けられる治療の一つです。効果は平均18〜24ヶ月と、長持ちするところも魅力です。
- スレッドリフト
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こちらも、メスを使わずに注射のような感覚で受けられるたるみ治療です。
体内に溶ける突起付きの糸を注射で頬に注入し、たるみを物理的にリフトアップします。さらに、突起が周りの細胞を活性化してコラーゲンの増殖を促すため、糸によるリフトアップ効果が薄れてからも肌にハリを与え続けることができるという二重の効果があります。効果は、約1年持続します。
こちらも注射で行うので、痛みも少なく、その日のうちにメイクをして帰宅することができます。ほうれい線の改善がメインのヒアルロン酸注入に比べ、スレッドリフトは糸による引き上げ力でたるみそのものを改善できることが特徴です。
まとめ
たるみ対策は、できるだけ早い時期から、毎日継続して行うことが重要です。それでも、年齢や日常生活の影響による老化はなかなか避けることができません。しっかりと改善を行いたいときは、比較的気軽に受けられるメスを使わない治療法を検討してみるのがいいのではないでしょうか。
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この記事の監修
銀座みゆき通り美容外科大阪院
岩井 謙治 院長
経歴
- 2004年
- 神戸大学医学部医学科 卒業
- 2006年
- 金沢医科大学病院 形成外科 入局
- 2011年
- 京都大学病院 皮膚科 入局
- 2011年
- 兵庫県立塚口病院 皮膚科 医長
- 2013年
- 北山武田病院(旧城北病院) 皮膚科 美容皮膚科 医長
- 2015年
- 銀座みゆき通り美容外科大阪院 院長 就任
<所属学会・団体>
- 日本美容外科学会
- 日本美容外科医師会
- 日本形成外科学会(形成外科専門医)
- 国際形成外科学会
- 日本皮膚科学会